あの「ウィッチャー3 ワイルドハント」を生んだCD Project REDが送る近未来オープンワールドRPG、「サイバーパンク2077」
発表からすでに神ゲー扱い。そして度重なる延期。
実際に発売された時には過去世代(PS4、XboxOne)ではバグがひどすぎてろくに遊べず、PS4では返金対象になってしまったほど、悪評が目立ってしまったゲームですが、私個人は非常に楽しめました!
そんなサイバーパンク2077をレビューします!
Xbox Series Xでプレイしたのが功を奏したのか、深刻なバグはなく(ないわけではない)、とりあえず最後まで楽しめました。
全世代機では一切プレイしていないですし、PC版もプレイしていません。
サイバーパンク2077のレビュー!約束された名作に課せられた課題
次世代機でプレイしたとは言え、バグがなかったわけではありません。
サイバーパンクな世界観が好きな人でないとはまらないとも思いますし、ストーリーは明るいわけでもありません。
大好きなゲームですが、気になった点も多かったので、その辺を紹介します。
サイバーパンク2077のここがダメ:やっぱりバグ
次世代機の恩恵により、深刻なバグには遭遇しませんでした。
でも、やっぱりバグはあります。(予約購入でアップデート前にプレイしているので、数回のアップデート後の今ではもっと減っていると思われます)
クエストが進行不可になるようなバグは1回だけ、目的の人物がその場にいない、というのがありましたが、それぐらい。
でも細かなバグはゲーム起動直後から多く、ケータイで話しているキャラが動くと、持ってたケータイが空中に浮いたままだったり、街路樹が意味不明にうねっていたり、ゲーム中の重要人物に電話をするとなぜか隣に立っていたり、細かなバグは確かに多かったです。
辛かったのは、良い仲になる相手と、出発前のキスシーンで、相手の顔にカメラがめり込んで内側が見えたときですね……
ちょっと深刻な場合はゲームを再起動する必要がありましたが、それ以外はスルーでも問題なし。
アプデが続いてからはプレイしていませんが、その辺は改善されていると思います。
一方、バグのおかげで助かった部分もあります。
とあるアイテムを売ると4000ユーロドルで売れるのに、5ユーロドルで買い戻せます。
ひたすらこれを繰り返すと、あっという間に大金持ちになります。
序盤で手に入れるには敵が強すぎますが、頑張って入手すると、どんな装備も買い放題。
いきなり最強装備(レベル制限のあるものは装備できませんが)で楽々になります。
※アプデパッチで使えなくなりました。
また、素手で戦う喧嘩のクエストがありますが、これがムズイ。
それに勝つために肉弾戦用に成長させると、実績コンプリートもしにくくなるという罠付き。
なので、何十回と同じ相手と戦う羽目になるのですが、基地とかにあるタレットを倒すと手に入る「ヘビーマシンガン」(装備というより一時的に持てる武器)を闘技場に持ち込めます。
これを持った状態で戦いを開始すると、なぜか素手ではなくて通常武器が使えるようになります。
闘技場なのにバンバン撃って簡単に倒せてしまいます。
余りに簡単すぎるので使わないおこうと思ったのですが、さすがに数十回コンテニューした後はヘビーマシンガンだよりになりました……
※今のパッチでもできるのかは未確認
サイバーパンク2077のここがダメ:ボリューム…?
比べちゃいけないのはわかっていますが、どうしても比較対象になるのが同じ開発元の「ウィッチャー3 ワイルドハント」
サイドクエスト全部クリア、分岐ストーリー全部クリア、実績コンプリートで150時間ぐらいプレイしました。
それだけなら「十分楽しんでるじゃないか」となるのですが、ウィッチャー3の底なし感と比べると、どうしても見劣りしてしまいました。
DLCも配布されていない(2021年7月現在)ので、そんなにずっと遊んだ感はありませんでした。
サイバーパンク2077のここがダメ:主人公
周りのキャラは良い感じのがいっぱいいます。
キアヌ・リーヴス演じるジョニー・シルバーハンドをはじめ、医師のビクター、親友のジャッキー、レズのジュディにホモのリバー、あとホモのケリー、ばあちゃんのはずが色っぽいローグ、そしてヒスパニックな魅力のパナム、などなど、濃いキャラクターがたくさんいます。
そして主人公の「V」ですが……
どうしてもここでもウィッチャー3のリヴィアのゲラルドさんと比べてしまうわけですが、ゲラルドさんは悪名も名声もあるモンスタースレイヤー「ウィッチャー」で、その身分だけでなく「白狼」として自身も有名人です。
有名人だからこそいろんな依頼が舞い込んできて、それがサイドクエストを興味深いものにしていました。
一方、サイバーパンク2077の「V」は、成り上がることを目指すギャングスター。
回想的な部分は少しあるにしても、気が付くとなんだか一流のギャングスターになっちゃってます。
あれ?いつの間にこんなに有名人になったの?みたいな感じで、その辺の掘り下げが少し浅かった気がしました。
急に知らないフィクサー(仕事を依頼する人)から電話がなるのですが、どうやらこちらの名前も名声も知った上で依頼してる模様。
うーん、いつの間にそんなに有名人に?という感がぬぐい切れませんでした。
主人公=自分自身、となるオープンワールドゲーム(スカイリムとか)であれば、自由気ままに生きていくのがスタイルなのだと思いますし、プレイスタイルもそれに合わせて、メインストーリーを進めずとも世界そのものを堪能できるんだと思います。
しかし、サイバーパンク2077の場合、しっかりとストーリーがあります。「V」の声もしっかりと声優さんが演じています。
FPSなので、自分の姿は鏡で見たときしか見えず、没入感のためのFPSになっているんだと思いますが、主人公=自分自身と感じれるほどの無個性さがなく、「V」というキャラを立ててしまった分、なり切れずにちょっと中途半端になってしまった感がありました。
そこがとても残念。
サイバーパンク2077のここがダメ:ストーリー
ダメ、というより個人的には、というのを先にお断りしておきます。
サイバーパンク2077はエンディングが分岐します。
最終決戦前にすべてのフラグを立てていれば、どのエンディングにも到達できるので、一度クリアしたらあとは別エンディングを見るために最終決戦前からやり直すだけ。
楽です。そのおかげで全エンディングを見ました。
結末ですが、これははっきり言って好き嫌いが出るものなので、良いか悪いかは自分で判断してもらいたいですが、個人的には「あー、やっぱそうなのかぁ」という感じがありました。
「俺たちの戦いはこれからだ!」みたいなのもありますが、「問題の根本解決にはなってないんじゃないの?」みたいなの部分があり、超ハッピーエンド大好きな単純人間の私からすると、その辺は残念。
とはいえ、サイバーパンクと言えば「ブレードランナー」「攻殻機動隊」のような世界観ですよね。
映画「ブレードランナー」の最後のあの余韻や、「攻殻機動隊」の原作コミックの終わり方(押井守氏の映画版1とほぼ同じ結末)の余韻が好きであれば問題ないかもしれませんね。
同じ「攻殻機動隊」でも、Stand Alone Complexの笑い男編のようなエンディングは期待できません。
個人的にはもうちょい明るいエンディングが一つでも良いされていてもよかったんじゃないかなぁって思いました。
あと、一番好きなのはパナム編エンディングです。
サイバーパンク2077のここがダメ:LGBT的なやつ
いや、私はLGBT的なものを否定しているわけではありません。
個人の趣味趣向ですよね。私の義弟(北米人)は同性で結婚していますし、義弟の結婚式(新郎と新郎の結婚式)にも出席しました。
心から二人の幸せを祈っています。
でも、それはあくまで外から見ている場合であって、ストレートな自分が、FPSで自分の分身であるキャラクターがおっさんとキスするのを見るのは、さすがに…… となるわけですよ。
サイバーパンクな世界って、そういう壁も低くなっているというのはわかるんですが、実績にからむミッションでも、せめて選択肢を残しておいてくれてもよかったんじゃないかなぁ、と。
女性Vではプレイしていないので、そっち系はわからないですが、そういうのも含めてサイバーパンクなのかもしれませんね。
サイバーパンク2077のレビュー!やっぱりよくできたゲーム!
バグ、ストーリー的なもの、主人公Vの立ち位置、などなど不満があるのは確かですが、前述のとおり160時間以上プレイしたゲームなので、面白くないわけがありません。
何がそんなに面白いのか、ザクっと紹介していきます!
サイバーパンク2077のここが良い!:攻撃手段
あえて武器と言わず、攻撃手段です。
種類がそこそこ豊富です。
素手もあれば、パイプやナイフなどの近接武器、普通の銃器もありますが、初めてスマートガンを使った時は感動しました。
リュックベッソン監督でブルース・ウィリス主演の「フィフスエレメント」って知ってますか?
その映画の敵(ゲイリー・オールドマン)が使う武器で、敵をロックすると反対方向を向いていても敵に向かって飛んでいくライフルがあるんですが、まさにそんな感じ。
照準を合わせなくても勝手に飛んで行って当たります。
威力はさほど高いわけじゃないですが、FPSが苦手な人でもゴリゴリ戦えます。
腕からブレードが出る改造アームや、一発の威力が高いリボルバーなど、自分のプレイスタイルに合わせていろんな武器を選べます。
そして何より、電脳ハックです。
攻殻機動隊の「くそっ!電脳を焼かれた!」というのを実際に行えます。
スキルを上げると複数の敵を同時にハックして倒したり、少々の敵であれば一発も撃つことなくミッションを終わらせることだってできます。
ここまでくると「俺、スーパーハカー」という気分で戦えます。
各ミッション、プレイスタイルが自由に選べて、壁越しに敵をスキャンして、一人ずつ順番に電脳を焼いて倒して、全て倒しきってからゆっくり探索したり、ランボーも真っ青な勢いで突っ込んで行って、強敵にはフラググレネード連発、ゴリゴリ撃ちまくりで倒していくこともできます。(結構すぐやられてしまいますが……)
この攻撃手段の自由度がサイバーパンクの一番の魅力だと思います。
サイバーパンク2077のここが良い!:車
GTAのごとくその辺を走っている車をパクることもできるのですが、基本的には自分の愛車を「ローチ!」と言わんばかりに呼び出せます。
バイクでも、セダンでも、トラックでも、コンパクトカーでも、ジョニーのポルシェでも、一度自分の物になった車はいつでも呼び出せます。
車の挙動は、もちろんレースゲームほどよくできているわけではないので、あちこちぶつけたりしてしまいますが、その辺はご愛敬。
好きな車に乗り込んで街をさっそうと走り回るのは楽しいです。
ちなみに、サイバーパンク2077の舞台「ナイトシティ」はアメリカですので、右車線、左ハンドルです。何度右から乗り込んでセンターコンソールをまたぐ動作でイラついたことか……
あと、個人的には飛行機とかホバーなんたらみたいな、「ブレードランナー」に出てきた空飛ぶ車みたいなのが欲しかったです。
サイバーパンク2077のここが良い!:サイドクエスト(サイドジョブ)
ストーリーのところで、「Vのキャラが立っていない」みたいなことを言いましたが、再度クエストは確かに「なんでVに依頼するの?」みたいなのがあることも確かです。
ただ、そのストーリーそのものはとてもよくできています。
結末がわからず謎を残したままの市長候補の話や、自我を持ったAI自動販売機、自我を失って暴走した女性の話(このクエストで1階から地下に進むのですが、敵がいないかなぁと思って監視カメラをハックして除いたときに、ぼーぜんとぼろぼろの女性が立っているのが移った時は思わず鳥肌が立ちました…)、AIタクシーの暴走や、鼻に爆弾がある男、など、凝ったものが多く、非常に楽しめます。
この辺は、さすが「ウィッチャー3 ワイルドハント」を世に出したCD Project RED、という感じですね。
サイバーパンク2077のここが良い!:いたるところに変な日本!
まず、世界的大企業が「アラサカ」です。(新坂?荒坂?)
「Hoテル」みいたいな意味不明日本語の看板もいたるところに。この辺は「ブレードランナー」の影響が色濃く出てるな、という感じです。
ラジオでも意味不明な日本語の曲が流れていたり、ナイトシティのいたるところに「変な未来の日本」があって、主要な登場人物にも日本人が多くいます。
この日本リスペクト加減が変であり、誇らしくもあります。
サイバーパンク2077のここが良い!:景色と雰囲気
ウィッチャー3では大自然の風景に目を奪われました。
サイバーパンク2077では、その作りこまれた決して理想郷じゃない、リアルに近い近未来が堪能できます。
スーツ姿の人が行きかうビジネス街があれば、トタン屋根でできた貧民街、ギャングがたむろする路地裏や、ギャング(というより私兵団)が占拠する完成しなったショッピングモール、豪邸が並ぶ郊外の高級住宅街もあるし、町から出ると無法地帯となった荒野と、そこにある捨てられた街、などなど。
全ての造形がしっかりと作られていて、FPSも相まって「そこにいる」感覚が感じられます。
ウィッチャー3のように景色をぼーっと眺めるというよりは、ネオンきらめくナイトシティの雰囲気を堪能できます。
たまには徒歩で移動すると、町のいろいろな面が見れてそれだけでも興味深いです。
サイバーパンク2077のレビュー:まとめ
約束された神ゲーでしたが、旧世代機ではただのバグゲー、サイバーパンク2077。
次世代機や、高性能PCでプレイしたなら、間違いなく神ゲーです。
Xbox好き管理人個人が選ぶベストゲームのTOP5には入ります。
人を選ぶゲームであることも確かなので、万人におすすめできるわけではないですが、その世界観、作りこみ、中世ヨーロッパ風のオープンワールドRPGに飽きたなら、ぜひプレイしましょう。
サイバーパンク2077の続編、出てくれないかなぁ。
あの世界観でギャング以外に警官とか、そんなキャラもプレイしたいです。
素材が良いので、いくらでも広げられそうな気がしています。